【資料】  8月1日 石原都知事会見内容

これは東京都ホームページの「石原知事定例記者会見」(録画)から、組合が文書化したものです。

今日は冒頭私からふたつ申しあげることがあります。

ひとつはかねてから進めていました既存の都立のいくつかの大学を統一して、新しい、若い人たちにも楽しんで勉強してもらえる大学を作ろうということでいろいろ構想を練ってきましたが、いま、中間報告ですけれども大体スキームが見えてきたので、宣伝も兼ねて、17年度にはもう開校するつもりですし、インフラはあるわけで人材もあるわけですから、それをどういうふうにうまく運用するかという問題ですけれども、やはりせっかく首都圏、首都の東京にある大学ですから、そういうその位置基盤の特性を生かして、大都市における人間社会の理想像の追求、これはいろいろな要因があるわけですが、それを明確にしてかつ建学の精神として、具体的にはたとえば都市環境の向上とか、ダイナミックな産業構造をもつ高度な知的社会の構築であるとか、活力のある長寿社会の実現などをいかに実現していくか、ということ、さらに具体的にその案が出てこないといけないのですけれども、そういう眼目をすえて新しい大学を作っていきたいと思っています。このために、都市文化、都市工学などそれが集積する東京でしか学べない、都市の文明を新しい教養としてすべての学生たちに学ばせたいと思っています。これまでの学問体系にとらわれずに学部は新しい大学の使命に合わせて再編します。キャンパスは基礎的な学部を南大沢に、応用的な学部を日野や荒川に配置し直します。将来は工業等制限法もなくなったので都心にもキャンパスを展開していきたいと思っています。たとえばこの都庁の中にもスペースがありますので、あとで言及すると思いますが、担当局の方からも、いわゆる修士課程を極めていくような人たちのための教室のようなものは、ロースクールとかビジネススクールは、こちらにおいてもよいのではないか、その他この他もうちょっと具体的に考えていきますけれども、また新しい教育システムとして単位バンクというのか、言葉はいま探しているのですけれど、一種の自分の貯金の口座のようなものを設けてそこに自分の取った単位をおいていく、これは海外の大学の課目や、これもITで現に科技大などでやっていますけれども、むこうのたとえばスタンフォードなんかとの交流授業でそれに出て話すことで、受講することで、それが単位になるとか、あるいはこれは新しいアイデアだと思うのだけれども、海外青年協力隊に行っていた人、そういう貴重な国際経験なども単位にして、そういう得難い経験を持ち、キャリアを持った人たちは大学としても評価していくと、これまでの4大学にない画期的なシステムを作っていくつもりです。たとえばいま言った単位口座といったバンクのメリットは、他の大学で授業を取っても卒業できるし、夏の卒業や秋の入学も可能となりますし、一種の飛びクラスとして通常よりも早く卒業できるし、できれば22歳くらいで修士が取れるようなそういうことも考えています。それから、中断したり、普通の人よりいろいろ経済事情も違う人が多いだろうから、時間もかけて卒業できる、そういうシステムにしたいと思います。私の息子の友人で非常に優れた兄弟がいたのですが、お父さんが突然失踪したりして、みんなから惜しまれながら、慶應に行っていたのだけれども、やはり一時休学というわけにいかないんだね、あの学校は。で退学せざるを得なくて、人生を転換して立派にその後他の仕事で頑張っているけれど、そういう痛ましい話で、やはりそういう事情の人はある時間をおいて、また復学できるようなシステムにしたいと思っています。それからまたかつての旧制高校の寮というものは、いろいろな評価もあると思いますが、私なんかも寮生活をしておりましてとてもノスタルジーがあるのだけれども、今と昔と社会の風俗も違うし価値観も違うから学生たち自身がどう評価するか知らないけれども、いずれにせよ学生同士が切磋琢磨して個性や独創性を刺激し合ってはぐくみながら人格形成していく場になればと思って、寮を作ります。これは強制的にではなしに望む人に全寮制の寮を提供していきたいと思うし、情熱のある人物を寮長に招聘して、最初は1学年50名程度からスタートしたいと思っていますし、いずれにしろこの新しい大学は平成1417の読み間違い?)年4月に発足させます。あまり時間がないのですけれどだんだんピッチがあがってきていい構想ができてきたのでこの後はどういうスタッフでどういうふうに実現していくか、大学の先生といっても人間で、人間というのは本質的に保守的だからあーだこーだいやだとかへちまだとか言うだろうけれどもそんなものは辞めたらいいので、とにかく教育者として使命感があれば新しいシステムの中で存分に才能を発揮できるのでそういう人たちの、スタッフの、教員たちの、協力も得まして、面白くて新しい楽しい大学にするので、まだまだ1年半弱ありますから学生諸君に大いに期待して入学してもらいたいと思います。詳しいことは大学管理本部からあとで説明いたします。