都当局の「給与削減延長」に言及した不誠実な団交に抗議する

今年の賃金確定に当たり組合は、「四%給与削減に人事委員会勧告のマイナス上積み阻止」、「給与削減措置の延長阻止」、一時金の四年連続削減反対、人事給与制度改悪反対、休暇制度改善、福祉関連要求の実現などの要求で、都労連を通じて都当局と交渉してきた。一九九九年の賃金確定交渉で、都労連は「給与削減の時限的措置」について、当局提案の期間や削減率を縮減させたとはいえ、受け入れざるを得ないという「苦渋の選択」をした。二〇〇一年の賃金確定交渉では、一旦は二年間の「給与削減の時限的措置」を終了することで、労使合意が成立したが、石原知事の議会発言に端を発し、都議会自民党や公明党の介入によって、再交渉を余儀なくされた。そして三月に「@現在実施中の給与削減措置は、平成十四年三月三一日で終了。A新たな給与削減措置として、平成十四年八月一日から平成十五年七月三一日までの一年間、給料の四%を削減。なお、再任用職員は対象外とする。B平成十六年度以降の給与削減措置については、都財政の状況及び社会経済情勢いかんによって、再度、協議。」という、労使で合意できるぎりぎりの内容として判断を下したのである。

しかし、こうした経過があるにもかかわらず、十一月一日の団体交渉の席上、福永副知事から、勧告及び給与削減措置の取り扱いについて「勧告を踏まえたベースダウンの実施はもちろんのこと、平成十五年八月以降の取り扱いも含め、検討を行う必要がある」、「具体的内容が固まり次第皆さんにお示したい」という、不当な発言が飛び出した。都労連は団交の場で、直ちに厳重抗議し、撤回を求めたが、都当局からは一切の回答はなく、都労連は「撤回しないのであれば、交渉は打ち切る」と交渉は決裂した。

都側は、二重の「労使合意」不履行を表明した。一つは先に触れた今年三月の合意である。二つ目は昨年十一月、トップ会談で給与削減措置は「今年度(十三年度)で終了」と妥結したにもかかわらず、再開された交渉での、民間の厳しい雇用・賃金など社会・経済状況を踏まえた、再度の給与削減措置の合意である。この経緯をみれば、現在行われている給与削減措置が人事委員会のマイナス勧告の先取りであったことは明らかであり、給与削減措置にマイナス勧告を上乗せすることは、マイナス勧告の二重取りすることを意味する。

 都労連は、こうした都当局の理不尽な態度に抗議の意思を明らかにし、今後の闘争への意思統一をはかるため、全単組二九分の職場集会を行うことを決定した。

私たちは、都当局の度重なる労使合意蹂躙に厳重に抗議する。私たちは、給与削減措置の延長阻止、給与削減措置+マイナス勧告実施阻止、一時金の四年連続削減反対、定期昇給や特別昇給など人事・給与制度改悪反対、退職金削減反対、休暇制度改善、子どもの看護休暇をはじめとする福祉関連要求などの実現のために、都労連に結集して最後まで奮闘する。

右、決議する。

二〇〇二年十一月六日
東京都立大学・短期大学教職員組合
二〇〇二年賃金確定要求実現職場集会