東京都で検討されている大学「改革」の、あっと驚く内容?


「大学を売りとばすぞ」という石原知事の発言以来、東京都は強引な大学「改革」を進めようとしています。しかし、東京都大学改革推進会議と東京都大学運営諮問会議で検討されている内容は、とても改革と呼ぺるものではありません。

教職員をこんなに減らしても大丈夫?

東京都は、いまある都立の4大学を再篇・統合し、短期大学と夜間課程をなくして、いくつかの高度職業人養成大学院を新設した新しい大学をつくろうとしています。しかし、検討内容のなかで見逃せないのは、大幅な教員定数の削減です(短大・夜間課程分の教員定数を削減した場合、当教職員組合が試算した数字では20%以上の削減となります)。教職員をこんなに減らせば、新しい組織をつくるどころか、いままでの教育・研究を保つことすらできません。これは単なる人減らしであり、リストラといわざるをえません。都民の貴重な税金と期待によっつて育てられてきた都立の大学の教育・研究を、「改革」とは名ばかりの都のリストラによって、ダメにしてしまってよいのでしょうか?

国よりひどい都の大学法人化プラン

いま、国や都が考えている大学の独立行政法人化は、企業の経営のように、「もうかる教育」や「もうかる研究」を重視して、大学を「経営」しようとするものです。特に、都のプランでは、知事が学長とは別の法人の長(理事長)を選び、法人の長が大学を管理することになっています。これでは、大学の独立性は失われ、教育・研究の自由な発展が妨げられてしまいます。宇宙の起源を考え、日本列島の人々の源流を探る、というような、もうけにならない大きなテーマの研究は、大学の学問として必要ないというのでしようか?


私たちは都民の期待にそった大学の発展を目指します

2000年10月実施の東京都「都政モニター」対象アンケートによれば、「都立の大学は必要」が65%、また「都立の大学に入学したい(させたい)」が51%でした。都民の都立の大学に対する高い信頼度を示しています。

安い授業料と充実した教育環境を

同じアンケートでは、都立の大学は「授業料が安い」と感じている人が、82.6%にのぼっています。また、朝日新聞社刊「大学ランキング」(2000年度版)の「在学生の評価ランキング」では、「授業・教育システム」「教員」・「選択できる授業料目が豊富に用意されている」などの項目で、都立大挙が全国のトップクラスに入り、充実した教育環境が高く評価されています。また短期大学では、特に安い授業料のもとで、4年制にひけをとらない充実した教育をおこない、社会人のリカレント教育など、多様な教育ニーズにこたえています。科学技術大学では、専門性を生かした高度な研究と、遠隔教育などの新しい視点に立った教育システムを実現し、確かな実力を責う教育・研究をおこなっています。

もっと都民に開かれた教育と研究を

都の「改革」プランは、都民の多様なニーズを切り捨て、授業料億上げと教職員の大幅な削減によって、このような都立の大学の長所をつぶそうとするものです。私たちは、都立の大学の特色を生かして、都民のための教育・研究の充実や入試制度の改革、新たな社会人教育の導入など、さらなる発展を目指していきたいと考えています。


都民の皆様の声です。





東京都立大学・短期大学教職員組合
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