第一号決議

  大幅賃上げと労働時間短縮を求める決議

完全失業率が五、五パーセントという史上最悪の水準となったが、小泉内閣と政府・財界はこうした事態を改善するどころか、「競争的な経済システム」で、リストラや労働者の権利・人権への侵害を強めて乗り切ろうとしている。経営者側のリストラ、総人件費抑制攻撃のなかで、賃金要求を見送った労働組合も少なからずあった。こうした中で闘われた春闘の賃上げは、各種調査でも、概ね定昇込みで〇・二〜〇・三パーセントのマイナスとなっている。現行制度が改善されずに人事委員会勧告が行われれば、マイナス勧告も予想される。
 年金改悪で満額支給年令が引き上げられ、政府が目論む本人三割負担の医療改悪が実施されると、将来への不安はますます増大する。今、雇用不安と将来への不安を取り除くことが、緊急の課題である。先進国のなかで、解雇を規制する法律がないのは日本だけである。景気回復への近道は、雇用不安と将来への不安を取り除き、国民の購買力を高め、個人消費を拡大させること、すなわち大幅な賃上げを実現することである。 
 私たちは、東京都の大学で働く非常勤講師、委託企業で働く労働者、賃金職員など未組織を含む労働者と連帯し、大学の職場全体の賃金・労働条件改善を実現するとともに、誰でもどこでも時給一〇〇〇円、日給七四〇〇円、月一五〇〇〇〇円以上の最低賃金制度を実施することを要求する。
 私たちの生活実感と生活実態に即した人事委員会勧告とその完全実施を要求する。
 昨年の賃金確定闘争は、石原知事の不誠実な態度につけいった自公両党が、「議会の権能」をふりかざし、職員給与削減の議員提案をするなど、極めて異例な展開となった。労働基本権の制約は維持し、人事委員会勧告を軽視する、「公務員制度改革」の先取りとも言える攻撃であった。最終的には、労使合意で給与の四パーセントカットを八月から一年間行うことを決め、議会による一方的な決定という最悪の事態は回避した。しかし、苦渋の決断の結果の給与条例に付帯決議をつけて、ながら条例や特殊勤務手当の見直しを迫っている。大学院手当の日額化など、到底認めることはできない。

今日の不況は自公保連立の政府の失政が招いたものである。政府、都当局、財界は、株や土地の騰貴によって自ら招いた「失われた一〇年」の責任をとるどころか、その後始末を勤労国民に押しつけようとしている。消費税の税率引き上げや年金改悪、「行政改革」に名を借りて、都職員の定数をさらに削減すること、新たな給与の削減などを許すことができない。
 都民犠牲の「財政再建推進プラン」を推進するため、もの言わぬ職員を作り出す手段として都当局は、「能力・業績主義」強化をはかり、あらたな「人事考課制度」を導入した。都に働くわれわれの仕事の指針は憲法と地方自治法、教育基本法であり、管理職が一方的に示す目標ではない。私たちは、「能力・業績主義」強化と一時金への成績率の拡大に反対する。
 東京都でも、再任用制度が発足した。私たちは、働く意欲のある職員の全員雇用と生活保障を要求する。再任用制度導入を理由とした現役職員の人事・任用制度の改悪と退職手当て削減に反対する。公務員制度の改悪に反対する。

三六協定が締結されたが、協定の特例にあたる超過勤務がかなり行われている。三六協定を慢性化した超過勤務をなくす契機とし、職場の実態を明らかし、大幅な人員増を要求する。
 一昨年の闘いの成果で夏季休暇が、五日となった。私たちは、学校五日制を含む完全週休二日制の実現を要求する。一定期間勤続した教員に対するサバティカル制度(研究専念休暇制度)を要求する。一日の労働時間の短縮と年間総実労働時間一八〇〇時間の早期達成を要求し、実効ある超過勤務規制を要求する。
 今年の確定闘争は、かつてない厳しい闘いになるが、私たちはひるまず、団結して要求実現のために闘う。
 右、決議する。


 
 二〇〇二年六月二八日 
                                   東京都立大学・短期大学教職員組合

                                                第 八 七 回 定 期 大 会 


第二号決議

「財政再建推進プラン」等による定数削減に反対し、人員増の実現をめざす決議


 都当局は、二〇〇二年度定数において、「財政再建推進プラン」による、四年間で五〇〇〇名程度削減するとした計画の三年目として、削減目標を一年前倒しでほぼ達成する一四一七名の削減を行い、定数条例を改悪した。
 私たちは、石原知事に対して、「財政再建推進プラン」による定数削減方針を撤回し、必要な人員を純増で措置するよう要求してきた。しかるに、二〇〇二年度定数の査定結果は、私たちの痛切な要求をことごとく蹂躙するものであった。私たちは、このような定数査定を行ったことに対して、改めて抗議するとともに、「財政再建推進プラン」による定数削減方針の撤回を要求する。
 都立の大学「改革」の中で、設置者側は、「講師以上の教員定数の一八・六%削減」を発表した。学生定員が増える中で教員定数が二○%近くも削減されたら、現在の教育・研究水準が決定的に低下し、壊滅的な打撃を受けることは明らかである。これでは、大学改革ではなく、単なるリストラのための大学改悪であり、到底容認することはできない。
 もともと、都立の各大学はいずれも少ない人員での発足を余儀なくされた。それに加えてのたび重なる定数削減は、教職員に労働強化をもたらしているのみならず、教育・研究の遂行に重大な支障を来たしている。
 都立大学においては、九一年度から九五年度までは、教員増のかわりに職員を削減するという大学の実態を無視した定数査定が行われ、九六年度から二〇〇二年度定数では「行革大綱」や「財政再建推進プラン」よる職員・教員の削減が行われた。また、二〇〇一年七月には都立四大学の設置者機能の一元化・都立大学の二級事業所化による職員の削減も行われた。教員増のかわりに職員を削減し、その教員自身も削減するーこれらの事実は、この間の定数削減が、道理も一貫性もないことを如実に示している。
 これらの削減を含めて、鈴木都政発足以降の二二年間に職員が三〇〇名から一三七名へと、実に一六三名も減らされてしまった。(削減率五四・三%。この間の知事部局全体の削減率は二七・七%)
 二〇〇二年度定数において図書館職員定数が五名削減されたが、図書館については、二〇〇三年度定数においてさらに五名、二〇〇四年度定数においてさらに一名の削減が予定され、二〇〇四年度には図書館定数が五名になるという、総合大学の図書館としての役割や使命を無視した乱暴きわまりない定数査定が行われた。私たちはこのような定数査定に強く抗議するとともに、二〇〇三年度・二〇〇四年度の削減計画の撤回を要求する。
 私たちは、これ以上の教職員削減を行わせず業務量に見合った人員増・大学改革に必要な人員増を行わせるために、保留定数六名の解除をはじめとした実効ある措置を要求し、運動をすすめていくものである。
 科学技術大学については、四年制大学への昇格以来一六年間にわたって継続する慢性的な人員不足を改善するため、当局の「行革・財政再建」の圧力に屈することなく人員増要求の運動をすすめ、都立の大学にふさわしい教育・研究条件の確保をめざしてとりくんでいくものである。

 都立短期大学については、大学の再編過程の下でも、学生教育の充実と研究条件の維持・改善に必要な人員の確保をめざして 、運動をすすめていくものである。
 私たちのこのような要求は、大学が大学らしく機能していく上での最低限の要求であり、必要不可欠な措置である。
 私たちは、都当局が、臨海開発の推進などゼネコン奉仕の大規模開発に依然として膨大な財政投入を行う一方で、教職員削減によるリストラ「行革」や「財政再建」の名による都民施策の切り捨てを行うことに反対し、必要な人員増等により、福祉・教育の充実など都民本位の都政をすすめることを、強く要求する。
 私たちは、都当局の定数削減方針・リストラ方針に反対し、必要な人員の確保・人員増を実現させる運動を、他の労働組合や都民と連帯しねばり強くすすめていくとともに、都民と都職員の要求に立脚した民主的都政の実現をめざし、奮闘するものである。

 右、決議する。

 二〇〇二年六月二八日                      

東京都立大学・短期大学教職員組合                                                  第八七回定期大会



第三号決議

都立の大学の発展的改革を求める決議



 東京都は、二〇〇一年十一月十六日に「東京都大学改革大綱」を発表したのち、二〇〇二年一月から四月までに法人化小委員会を七回開催し、「法人化小委員会における検討のまとめ」を作成した。そこでは「基本的な考え方」として、従来から東京都が繰り返し主張してきた経営部門と教学部門との分離や、知事の法人の長選任権、教職員に対する非公務員型の導入などが明記され、それを前提にして「今後検討すべき事項」が列挙されている。そしてこれらの検討課題は、「都立新大学設立準備委員会」のもと、大学管理本部管理部長を座長とし、大学管理本部から三名、四大学教員から五名、四大学事務局長四名で構成される「法人化・大学運営分科会」において、具体的な検討が行われることとなっている。
 法人化小委員会において検討されてきた内容は、都立の大学に働く教職員の身分・労働条件そのものである。しかしそれにもかかわらず、大学管理本部はこれまでの検討過程において、私たち東京都立大学・短期大学教職員組合と協議を行わないばかりか、教職員組合が提出した二度の解明要求に対しても全く答えようとはせず、不誠実な態度に終始した。私たちは、教職員の不安を増大させたこのような大学管理本部の姿勢を厳しく批判するとともに、今後は、委員会に占める教員の比率が低く、検討の方向性が懸念される「法人化・大学運営分科会」の検討状況を大学構成員に速やかに公開し、検討の過程において四大学の教職員、教職員組合、東京都労働組合連合会とも公式な協議を行い、一方的に計画を進めることがないように強く要求する。
 法人化小委員会では、経営部門と教学部門の分離や、教職員に対する非公務員型の導入などの重大な問題が、検討の必要がない前提事項として位置づけられ、そのうえで教員人事に関して経営部門が積極的に関与するシステムが検討されるなど、大学の自治や学問の自由の根幹を破壊する事項までが議論された。しかし、例えば教職員の兼業・兼職等の服務管理を弾力化することは公務員型でも可能であるにもかかわらず、なぜ非公務員型を導入しなければならないのかという根本的疑問に対して、何ら明確な説明はなされていない。また、文部科学省の「国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議」がまとめた「新しい『国立大学法人像』について」や、公立大学協会法人化問題特別委員会がまとめた「『公立大学法人』像(第三次試案)」においてすら、教学部門の最高責任者である学長が経営部門の最高責任者を兼ねることが大学法人の組織には適合的と結論づけている。それにもかかわらず、なぜ東京都の大学においてのみ法人固有の組織を設け、法人の長を知事が選任することが必要なのか、そのメリットは大学としてどこにあるのかなど、全く明らかにされていない。
 私たちは、「東京都大学改革大綱」に記された事項を所与の前提とすることなく、真に大学の発展的改革を実現する立場から、もう一度法人化計画の根本的な問題を問い直し、再検討を行うことをいま重ねて求める。
 二〇〇五年に設立される新大学は、従来から都立四大学が蓄積してきた教育研究成果をさらに発展させるものでなければならない。「東京都大学改革大綱」において廃止が明記された短期大学に関しても、短期大学がこれまで都民に果たしてきた教育研究上の役割を新大学は継承し、さらにそれを発展させる教員配置・カリキュラム編成を実現しなければならない。新大学において現在の四大学はすべて対等の構成員であり、短期大学の教職員が所属先の決定や研究室の利用などの点で決して不利な条件にならないよう、強く要求する。
 東京都は、二〇〇二年三月八日に都立の新大学の教員定数案を公表し、現在の四大学の教員総定数から一一八名を削減し、約一八・六パーセントの減員を行おうとしている。このような教員定数の大削減は、昼間課程の学生定員増やプロフェッショナルスクールの新設に全く対応できないばかりか、これまで都民の貴重な税金でつくりあげてきた都立の大学の高い教育研究水準をいっきに低落させるものに他ならない。大学の発展的改革を妨げ、大学を解体するこのような東京都のリストラ策に断固反対し、新大学における大幅な教員定数削減計画をただちに見直すように要求する。
 以上、東京都の大学の発展をめざし、要求実現のために奮闘することを決議する。
  
  二〇〇二年六月二八日
                                                  東京都立大学・短期大学教職員組合
                                                   第八七回定期大会