2510号
[ 中央執行委員会声明 ] 次期学長選考に関する組合からの要望 2008.11.26 公立大学法人首都大学東京労働組合中央執行委員会
********************************** 11月初旬、次期学長を選出するための「学長選考会議」が発足した、と伝えられている。 今年度で現西澤学長の任期が終了することから、法律、および法人定款に従って選考会議が発足することについては当然の手順といえる。 ただし、遺憾なことに、今回の選考会議委員の選出に関しては、学内の多くの教職員に以下のような疑問が生まれている。 ひとつは委員の母体についてである。 経営審議会選出の3人の委員は、学外委員2名と事務局長、教育研究審議会選出の3人は、システムデザイン学部長、健康福祉学部長および基礎教育センター長となっている。 疑問は、教職員と学生の圧倒的多数が在籍する都市教養学部からひとりも委員が出ていないことである。 もちろん、各委員が全学的視点と見識を持って選出を行うのであれば問題ないとはいえるが、素直な選び方は最大多数の教職員と学生の意向を看取しうる基盤を持った委員を挙げることではなかっただろうか。 このことはたんに数量の問題ではなく、可能な限り大学の構成員の総意のもとで学長を決定するという大学自治の理念実現のひとつのポイントとなるから重要なのである。 ふたつめの疑問は、今回両審議会で行われた選出が果たして、いかなる選出規程あるいは規則に則って行われたのか、という点である。 組合が確認しうる限り、学長選出に関する規程、規則あるいは手続きは一切存在しない。 ただ、定款に、学長は選考会議の選考に基づき理事長が任命すること、およびその構成が記されているだけである。 会議の成立要件も、議決の要件もない。つまり、選出された選考会議をどのように運営されるのか全く不明のままなのである。 この点では、選ばれるはずの議長氏名や選考作業のスケジュールさえ、いまだに明らかにされていないことは非常に不可解である。 もっと本質的に重要なことは、学長の選考手続き、すなわち、@選考会議にかかる候補者がどのようにして選ばれるのか、 A学内諸階層の意向や意思をどう反映させるのか、が本学では全く規定、規則、手続きとして決められていないのである。 他の国公立大学では例外なく、詳細な学長選考に関する手続き、規則が定められており、当然、選考会議委員をどのように選び、運営するのかも規定され、公表されている。 [注] 組合はこの点をとくに重視する。 選考会議がともかくも両審議会の合意に基づいて選出されたのであれば、組合は上述の疑問を持ちながらも、成立そのものに異議を唱えるものではないが、以下の点を強く要望する。 第一に、両審議会と学長選考会議は、可及的速やかに本学の学長選考規程およびその実施に関する規則類を策定し、公開するべきである。 そうでなければ、本学の教学のトップが、規則もないままに恣意的に、あるいは場当たり的に選出されるという大学としては考えられない事態となってしまうからである。 第二に、その選考手続きにおいて、選考会議にかかる候補は必ず複数としていただきたい。 大学の将来や教育・研究に関するさまざまな考え方、意見を知ることは大学という多様な価値観の共存を不可欠とする組織にとって必須だからである。 第三に、最終選考の以前に、それら候補の所信を全学に公開し、全教職員、学生の意向を何らかの形で問う機会を設けていただきたい。 組合としても教学のトップであり副理事長でもある学長の所信、プランは教職員の労働条件の今後に深く関わることとして関心、期待を持たざるをえないからである。 もちろん、もっとも望ましいのは、他の多くの国公立大学と同じく全学的な意向投票である。 選考会議としても、この意向の結果は最終選考を自信を持って行ううえで重要な判断材料となる筈である。 すでに完成年度を過ぎて、自立した大学として飛躍せねばならない本学が、万が一でも、密室での審議、あるいは学外からの圧力によって次期学長候補が決められるようなことになれば、教職員や学生のあいだに四年前以上の失望と大学への不信感が広がり、再建の途についたばかりの本学に、計り知れない損失となる。 |
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