2348号

  


交渉中に個別の契約を迫るのは不当労働行為
労働契約書提出の強要・督促は直ちに中止せよ!


 提出状況は集計中  一部の学部で提出の督促が始まる
  当局が労働契約書の提出期限とした4月28日が過ぎました。5月10日に行われた組合と当局との専門委員会交渉で労働契約書の 提出状況を尋ねたところ、「現在集計中である」という回答にならない回答が返ってきました。
 そんな中で、一部の学部では、未提出者に対して、上司を通して労働契約書の提出の督促が始まっています。組合は、直ちに法人 総務部に対して、督促を中止するよう申し入れを行いました。

 督促は不当労働行為 労働契約書の提出は任意
 機関紙「手から手へ」でも、くり返しお知らせしている通り、「旧制度」の昇給問題など、就業規則や給与規則の中で、まだ未確定で 交渉中の事項が多く残されています。交渉中で未確定の事項があるにもかかわらず、個別に契約を迫ることは、不当労働行為です。個々の 教員が提出を保留し、拒んでいるのは、「新制度」も「旧制度」も不利益変更であり、そのことについて、組合が交渉を行っていることを 知っているからなのです。
当局がまず行うべきことは、労働契約書の提出の督促ではなく、4月14日に組合が提出した要求に直ちに回答し、不利益な変更を改めること です。

 必要なことは労働条件の明示
 組合は、労働条件通知書と労働契約書の配付については、「提出しなくても、直ちに解雇することはしない」ことを確認した上で、 了解しました。労働条件が個々の教員に示されることが重要と考えたからです。その上で、労働条件の中に未確定な部分があり、組合と当局 との間で交渉中であること、直ちに、契約書を提出することは、不利益変更を容認してしまう恐れがあることなどから、雇用契約書を提出し ないよう呼びかけました。この呼びかけに応えて、今なお、「新制度教員」も含めて、多くの教員が労働契約書の提出を拒否または、保留して います。

 消し去られた「昇給なし」
 就業規則作成にあたって、当初の当局の案には、旧制度給与規則に「上位の級に変更しない」との記載がありました。また、法人化後の、 労働条件通知書についても、同様に当初の当局の案には、「旧制度」については、「昇給なし」と記載されていました。しかし、組合が 「昇給なしは一方的な不利益であり、絶対に認められない」と強く反対した結果、これらの記載ができなかったのです。別の角度からみると、一旦は「昇給なし」とした内容を 変更したのです。重要なことは、当局が内心で「旧制度は昇給・昇格なし」は方針で、「その想いは今も変わらない」としていることではなく、 当初の文言を当局自ら変更したという事実です。

 求められているのは法人の決断
 3月までの大学管理本部との交渉で、管理本部は「旧制度の昇給・昇格なしは東京都の方針」「4月には、法人と個々の教員との労働契約を 結ぶ」とくり返し発言してきました。今、法人に求められていることは、法人として早急に責任を持って、組合と個々の教員に労働条件を示す ことです。「検討中」と称して、回答を引き延ばすのではなく、交渉の過程で「昇給なし」の記載を取り止めた事実に基づいて、「旧制度の 昇給・昇格なし」を撤回し、昇給も昇格もできる制度を、直ちに組合に提示すべきなのです。

 「法的手段も検討」と当局に通告
 組合は顧問弁護団とも相談の上、このような状況で、個別に上司から労働契約書の提出の督促を行うことは、不当労働行為であり、こうした 状況が続くのであれば、労働委員会への提訴を含めた法的手段を行使することを当局に通告しました。

 教職員組合は教員の皆さんに訴えます
  上司からの労働契約書の提出の督促を行うことは、法人による不当労働行為であることに確信を持って、不利益変更には同意しないという 意思を明確に示しましょう。また、法的手段の行使等に備えて、提出の督促があった場合はそのやりとりを正確に記録しておきましょう。