2326号
 
現行制度での、移行を!
「新制度」は「検討事項」が多過ぎる
依然として「照会」に回答できる状況ではない
当局は、任期制・年俸制の「新制度」の実施を延期しろ!

 任期制・年俸制の「新制度」か昇給・昇任なしの「旧制度」という、どちらを選択しても不利益な制度選択の管理本部への提出締め切りを迎えようとしています。
「新制度を選択しても、一年に限り旧制度に戻ることができる」という「特例措置」や「提示された年俸と年収の飛びつき幅によって、昇給」させる、「基本給決定の経過措置」が14日になって、突然、出され、18日、19日に説明会が行われるなど、大学管理本部の混乱だけがよくわかる状況です。こうした中、都立大学の一部の部局では、当初の締切りの21日の延期を決めました。
選択を迫られている教員にとっては、十分に考える時間すらなく、説明会での質問に対しては、「検討中」の回答ばかりが目立つのですから、こうした措置がとられるのは、当然です。
 組合は、このように未決定事項が多い「新制度」の実施は、困難であるばかりか、18年以降にさらなる混乱を招くと判断しています。したがって、管理本部に対しては、次のことを要求します。
  1. 「新制度」については、詳細が明らかになった時点で、改めて提案すること。
  2. 17年度の教員給与制度については、現行の制度のまま移行すること。

 以下、管理本部が、疑問に対して、まともな回答ができなかった項目をいくつか挙げてみましょう。
  ○ 「現行制度のどこが問題なのか」
  ○ 「現在の給与号級と新制度基本給額との間に個人間で逆転現象があるがその合理性は?」
  ○ 「学術休職はどうなるのか?」
  ○ 「休職期間中に支払われる給料はいくらか?」
  ○ 「新制度では、どのような場合に昇給できるのか」
  ○ 「新制度での、初任給(博士卒27歳)は?」
  ○ 「18年以降の、職務給や業績給はいくら支払われるのか?」
  ○ 「通常の勤務成績・業績とは?」
  ○ 「主任教授の選任方法は?テニュア審査は誰が行うのか?」
  ○ 「新制度の主任教授の条件として『大学の顔として・・・中核となる者』とされているが、大学の顔とは何か。具体的に例示していただきたい。」
など、数え上げたらキリがありません。

 また、説明会での回答のなかでは、疑問符のつく「迷回答?」も多くありました。
 質問「現行制度がなぜだめなのか」
  回答:「業績をたくさん上げたものでも年功制の給与体系で報いられない」
  質問:「新制度を選ぶと研究員は8年、准教授は10年でこの大学を辞める覚悟がいる」
 回答:「通常の研究・教育をやっていればその期間内に上に上げると考えている」
(新大学は、年功序列から脱却するんじゃなかったの?)
  質問:「一度外部に出て、戻ってきた時の任期はどうなるか?」
  回答:「任期は通算される」
(もらった退職金は、どうするの?)
  質問:「研究員は助手と異なり、研究に専念できる、事務補助等についてはアルバイトなどをつけると以前に説明があったが、今回の照会にはそのことが示されていないが。」
  回答:今回の照会は給与制度についてである
 質問::では研究員には事務補助がついて、助手にはつかないということはあるのか
 回答:研究員も助手も同じである
(→研究員だからつくということではない。研究員には、任期はつくが、事務補助はつかない)
 質問:「他の国公立大学との間で退職金はつながるのか」
 回答:協定を作るよう努力する
(→事態をあまり認識していない)

  質問と回答を組合に集中しよう

 組合は、管理本部に対する質問とその回答を集約しています。みなさんが直接管理本部に質問をされた内容やその回答を組合に寄せてください。