全学説明会に約400人
都立大学案を23日の教学準備委員会に提案へ―

 15日の学生に対する説明会に続いて、16日午後6時から、教職員に対する説明会が開催されました。会場の120番教室の後ろで立っている人も多く、熱気に包まれました。説明会は、阿知波学生部長が司会進行をつとめ、初めに茂木総長から、8月1日以降の経緯と総長のとった行動についての説明が約20分あり、15人の参加者から意見表明や質問が出され、質問に対しては、総長、5学部長、都市研研究科長、図書館長、教養部長が回答する形で進められました。

総長の経過説明については、これまで組合が機関紙で伝えた内容通りでした。

総長 「10月7日の声明発表に示した都立大学としての改革案を作るため、部長会メンバーで、大学改革実施委員会を立ち上げ、3つのワーキンググループ(以下WG)を作り、大学院、教養教育、教員身分の法的問題について、検討し、大学院と教養教育については、ほぼまとまったので、23日の教学準備委員会に都立大学内でまとまった案として、提案する。他の3大学には、それ以前に送り、できれば事前にミーティングもやりたい。一部に、都立大学総長が管理本部と対立しているとの報道もあるが、ごく当たり前の提起したもので、いい大学になるために必須なこととして、構想に賛成な者、反対な者など、自由に意見をたたかわせて協議が必要と声明を発表した」

【同意書について】

法教員(助手) 各学部教授会は同意書に対してどのような対応をとっているのか。

人文学部長 一切提出しないという態度だ。

法学部長 出したい人は、止められないが、学部長として取りまとめてもってゆくつもりはない。

経済学部長 各先生の判断に任せている。今夜くらい、頭を悩ませていると思う。

理学部長 管理本部から、なんで提出するよう説得しないのかと言われているが、同意書に私として納得していないので、説得しないと答えた。

工学部長 今日の部長会に文書を提出した。工学部として一致した行動をとるため、配置案にこだわらない同意書を求め、ほぼ全員に近い同意書が集まった。守秘義務ではやってゆけない。

都市研科長 同意書については、全学的な対応をしようと考えている。

人文教員 工学部で同意書の文言を書き換えて出すそうだが、管理本部は書き換えた同意書は受け取らないと聞いている。出しても受け取らないものを出すのか

工学部長 工学部の中で、一致できる行動として、詳細設計に加わる意志を示す同意書にした。学部内で出す人、出さない人が出ないように考えた。

法教員 総長は声明で、白紙撤回と言っている。工学部だけが、条件の変更を求めたものをだすのか。

人文教員 工学部は同意書をまとめてだしたのか。詳細設計に参加し協議したいという要望書にすべきだ。

法教員 二人の質問に総長が答えてほしい。声明には、憲法、教育基本法などに照らして、8月1日以降の管理本部のやり方を批判している。管理本部のレール上で議論するのはおかしい。

総長 声明は、学内の意見も聞いて、どのような表現にするのか苦慮した。学内で、最低限一致できる事柄を考えた。大学院、教養教育、教員身分など管理本部の案が、よくわからないところがある。包括的に同意はできないので、白紙撤回を求めた。

人文教員 総長は声明で、新大学への移行だと述べている。組織として包括的に移行するのだから、個人としての教員に同意書がくるのはおかしい。同意書について、個人に任せるのではなく、総長がこれでいい大学ができると判断した時に発するべきもの。総長が、まとめてほしい。

人文教員 同意書が自宅に送られてきたが、配置案が入ってなかった。私の行き場がないということか。配置案がないものに同意しろというのか。

人文学部長 私のところにも送られてきたが、まだ開けていない。配置全体が示されていないものは、配置案ではない。教員にそれぞれの配置のみを伝え、配置案に同意しろ、サインしろと言われても、私はサインの必要はないと考えている。

法教員 同意書には大学管理本部の意志がはっきり示されている。大学を都が管理するのは、憲法や教育基本法などに添わない違憲、違法。教員が直接責任を負うのであり、設置者は条件整備義務がある。知事や管理本部長は大学運営では、トップではないので、ダウンのしようはない。権限のないものが権限をふるわせないよう、対案を都民に公開して進めるべきだ。

【教学準備委員会について】

法教員 教学準備委員会には、今も個人として参加しているのか。

人文学部長 8月29日には、今後の説明があると思って管理本部へ言ったら、学部長としてお呼びしたのではない。個人として参加してほしい、と言われた。その場では、態度を保留した。意見を表明するために、学部長として、参加している。10月2日以降は、多少雰囲気は変わった。学部には、議論の内容はすべて報告している。

法学部長 私は、今も個人として参加している。いくつかの大学間で調整が必要な時には、守秘義務もありうる。なんでもガラス張りというのは、事実上できない。

経済学部長 その場で判断を求められ、情報をえるために個人として参加している。最初から、守秘義務は守っていない。

理学部長 個人としての参加は、矛盾があった。10月2日以降は、学部長として参加している。

工学部長 10月2日に意見表明した。今後は、学部長として参加し、工学部の意見を言う。

【連合教授会について】

法教員 大学の意志を示す方法として、連合教授会と言う制度を活用することを提案したい。

人文教員 私も賛成だ。各学部長の意見を聞きたい。

人文学部長 私は全面的に賛成だ。

法学部長 私は、消極的だ。

経学部長 そういうアイディアは今初めて聞いたので、判断しかねる。

理学部長 必要な時に開くのは賛成だが、今がその時期であるかどうか。

工学部長 方向としては賛成する。議題の整理など必要だと思う。

都市研科長 非常に強い手段だとおもうので、慎重に考えたい。

総長 どのような手続きで、何を議題とするか。行う場合には、成功させなければならない。連合教授会の他に選択肢もあるだろうし、部長会、その他で諮ってゆきたい。権限があるのは知っているが、慎重に考えたい。

【助手について】

人文教員(助手)助手については、8月1日以前から一貫して、案が示されてこなかった。助手については、どうなっているのか。

学生部長 8月1日以前は企画調整委員会で、役割や今後のありかたについて、かなり議論してきた。

人文教員(助手)学校教育法では、大学には助手をおかなければならないと書かれている。現在でどのような議論がなされているのか。

図書館長 法律問題のWGで教員の身分問題について、検討している。助手について特化して検討は行っていないが、とりわけ研究助手については、任期制の導入が可能と考えられており、我々はそのようなことはおかしいと別の法論理をたてることを検討している。

【その他】

人文教員 組合は8月4日に抗議声明を出した。組合としては、雇用や身分の問題が重要である。もう一つは、大学の正規の意志決定ルール、民主主義を回復してほしいということだ。学部長に対しては、教学準備委員会には、学部の代表者として、参加してほしいと要請してきた。10月2日以降は、5学部長の奮闘で改善の糸口を作られたが、まだ完全に回復しておらず、不十分だ。

理教員 議会答弁で、管理本部は、反対しているのは都立大総長だけで5学部長は賛成していると言っている。理系の学部も総長を支持しているし、各学部長もそれは違うと表明してほしい。

工教員 8月1日以降、総合大学としてどう発展させるのかのベクトルがはっきりしないので、同意書は出していない。今、人文学部に集中されている人員削減について、文学については少し軽めしようということかもしれないが、総合大学として、学生にとっても魅力的なものにしなければならない。5学部で、痛みを分かち合うことが必要だ。

工教員 私は基礎教育センター配置と言われた。基礎教育センターやエクステンションセンターに誰が、どうして配置されたのか。管理本部は、理由を明らかにしてほしい。