東京都大学管理本部長殿                

2003年10月10日

一連の改革及び新大学構想に対する抗議声明 

東京都立大学A類学生自治会執行委員会
執行委員長 山下大輔    
東京都立大学夜間受講生自治会執行委員会
執行委員長 内田洋介    

  東京都大学管理本部が8月1日以降行っている現都立4大学構成員を無視したトップダウン方式と称す改革推進に対し、東京都立大学A類学生自治会執行委員会並びに夜間受講生自治会執行委員会は、以下の点について抗議する。


1.大学管理本部は現在、都立4大学の最大の構成員である学生の意見を取り入れることなく、一部の有識者により秘密裏に新大学設置に向け準備を進めようとしている。教員に、改革の詳細計画について口外しない旨の「同意書」を提出させて、情報を全く公開せずに新大学の計画を決定していくなどは、およそ民主的な方法とは言えない。

 7月31日以前の検討体制も学生が直接参加できないという不十分なものであったが、大学を通じ意見を表明し、それを反映させることは可能であった。しかし、8月1日以降はそれまで以上に学生の意見を反映させにくい体制に移行したと言わざるを得ない。これは学生の最高の意思決定機関である学生大会において決議された「学生の意見を取り入れた改革を求める」という学生の総意を全く無視したものであり、到底容認できない。

2.9月29日に行われた文教委員会において、大学管理本部から「学生の意見を聞いた改革である」という旨の発言があった。しかし、学生の意見が新大学構想に対し、どのような協議、検討を経て反映されたのか全く不明である。

 さらに、1000人規模で成立している学生大会の決議においても、現在発表されている新大学構想の内容に関する意思を示した事実はない。大学管理本部の言う「学生の意見」は、少なくとも現都立大学の学生の総意として認められるものではない。

3.大学管理本部は現都立大学に在学している学生が卒業するまで、現在の学習環境を保障すると言っているが、その根拠が何一つ具体的にされていないため、不安を抱える学生が多い。学部編成が大きく変わるということは、自分が履修したい講義がなくなる恐れがある。また、専攻したい研究分野がこのまま維持されるのかも不明である。その上、専門院以外の大学院についてはほぼ白紙であり、院への進学を希望する学生の間に、動揺が広がっている。

 さらに、B類生(夜間課程の学生)に対しては、2001年11月28日の文教委員会において、B類の現行制度で「当然のことながら卒業までの間、責任を持って教育を行っていく」と大学管理本部は明言したが、8月1日以降B類生について何ら言及されていない。よって、大学管理本部にA類B類を合わせた全学生に対しての具体的な説明を要求する。

4.大学管理本部は、学生の課外活動に関して全く言及していない。学生の課外活動は、学生の基本的権利であり、自主性・指導性等を養い、人間形成の上で非常に重要なものである。現在保障されている環境が、東京都の一方的な進め方により侵害される状況は認めることは出来ない。管理本部はこれまでの学生の自主的な活動を尊重し、今後、課外活動に関する事項を決定する際には学生の意見を取り入れるよう要求する。

以上の4点を踏まえ、今までの検討体制を改め、学生を含めた現都立大学全構成員を交えた形で、今後の改革準備が進められることを求めるものである。