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2427号

 10月1日昇任者は任期5年
年度途中採用者も、任期は公募書類に記載の通り
実務的手違いで申し訳ないと、当局は説明

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 「手から手へ2426号」で、今年10月1日付で昇任した教員、及び採用された教員の任期が、平成18年10月1日から平成23年3月31日の4年6月となっていることをお知らせしました。その後の、組合の調べでは、今年度の5月以降に採用された教員の任期も、平成23年3月31日までとなっていることがわかりました。このことに関し、組合は23日夜、当局と専門委員会交渉をもち、これまでの年度途中採用者についてすべてこれまで行った発令を訂正し、公募条件通り(3年任期の一部研究員を除き5年)とすると回答を得ました。

 「年度途中の昇任・採用についての運用が未整理」(当局)
 「『(5年)以内』の適用は定年者、部局独自の任期設定のみのはず」(組合)
 このことについて組合は、すでに10月20日に事実確認を求め、10月1日付昇任者については「事務上のミスであった」と当局は認めていました。しかし組合は、年度途中採用者についても同様の問題が生じていること、及び労使合意の根幹に関わる問題であるということから、10月23日夜、改めて当局に詳しい説明を求めました。
 当局は、「教員の任期については、公立大学法人首都大学東京教員の任期に関する規則で、5年以内となっており、年度途中での昇任者および採用者について、当局内でその取り扱いについて、事前に整理をしておらず、事務上の手違いにより10月1日付の昇任者及び採用者の任期を、平成18年10月1日から平成23年3月31日の4年6月と任期・年俸発令書に記載し、発令を行った。一部の部局長及び組合からの指摘があり、部局長には、任期が5年であることの訂正を行った。本人対しても、改めて任期は5年であることを発令する。年度途中採用者については、個別に不利のないよう、本人と調整を行っていく。」と説明をしました。
 これに対して組合は、「昨年来の労使交渉で、任期が5年以内との合意はあったのは事実だ。昨年の交渉で『以内』の解釈について質した際、これは、5年以内に退職する教員の場合と、一部の部局で従前より任期3年で運用している研究員の場合についてのものとのみ説明された。年度途中の採用者や昇任者について、任期の終わりを3月31日にすることがそこに含まれるとの了解はない」「教員公募の際、任期を5年とし、それを前提に選考手続を行っておきながら、実際の発令は、平成23年3月31日としたことは、『任期の値切り』で許されない」「5年で公募しておきながら、実際は5年に満たない発令をすることは、大学の信用を失うことになる」と抗議し、「部局長は任期が4年6月とされたことを事前に知っていたのか」、「本年度途中の採用者について、公募で『5年以内』と明記したケースがあったのか」「年度途中採用者はすべて、平成23年3月31日までの任期となっているのか」「年度途中採用者について、個別に本人と調整するとは、本人に平成23年3月31日までの任期の同意を求めることか」を質しました。

 「全員を5年(3年)に訂正」(当局回答)
 これに対して、当局は「規則で任期は5年以内となっており、年度途中での昇任者および採用者について、当局内でその取り扱いについて、未整理なところがあり、事務上の手違いがあった」こと、部局長に対する事前の説明についても、任期末を平成23年3月31日とすることに、事前の承認を得ていなかったことを認めました。また、公募の際に、「任期を5年以内」としたものはなかったこと、年度途中採用者はすべて、平成23年3月31日までの任期となっていることを明らかにしました。
 その上で「今年度途中採用者については、公募の際に、『任期を5年』としており、全員、10月1日付の昇任者と同様、採用日から5年に訂正する」と回答しました。また、今後の年度途中採用予定者についての任期の扱い方及び公募条件の記載の仕方等については、あらためて早急に検討・協議することを確認しました。
 組合は、「こうした問題が生じた一番の原因は、『全員任期制』にある。任期を年度末とする合理的な理由はない。大学として、年度途中の採用は例外ではなく、法人化以前から、教育研究上の都合により、年度途中の採用は行われていた。」と指摘しました。
 また、組合が、「労使で合意していないことが行われた。本人と組合に対して、謝罪すべきだ」と質したことに対しては、「事務上の手違いであった。当事者と組合に対して、ご迷惑をかけました。」と遺憾の意思を明らかにしました。

 問題の根幹は全員任期制
 組合が指摘、抗議して、任期を5年とさせることになりましたが、今回の問題の根っこには、「全員任期制」があります。組合は、大学のありかたとして、全員任期制では、大学の発展は望めないことや、事実、「全員任期制」を打ち出したことで、大量の教員流出がおこったことや、教員公募に対する応募者が激減していることを指摘し、その方針の撤回を求めてきました。今後も、この考えは変わらないことを表明するとともに、「任期制を選択せざるを得なかった」教員ばかりではなく、「任期制を選択した」教員の雇用と権利を擁護するものです。