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2483号

任期評価等の骨格の確定にあたって

2008.3.18  公立大学法人首都大学東京労働組合中央執行委員会

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 人事制度等検討委員会は3月14日の第12回委員会において、任期評価についての骨格を決定しました。これに先立ち組合は、法人に対し、これまでに組合との間で協議を積み重ねてきた諸問題についてあらためて確認を求める質問を行っていました。「大学教員として誰から見てもふさわしくないもの以外は再任される」(2007年12月18日付法人事務局回答)などの内容が、今回確定される任期評価・再任判定基準の骨格及び部局ごとの具体化において、十分踏まえられていることを確認するためのものです。
  これに対して、委員会終了後、法人事務局から「教員評価制度の概要について(平成19年度版)」の内容が示され、その中に以下の項目があることが説明されました。

 (第6) 再任判定と任期評価の考え方について
   1 再任の基本的考え方
大学教員としてふさわしい能力を有し、意欲を持って職務に取り組んでいる者については、原則として再任されます。
   2 具体的な再任基準
再任基準は、任期評価を実施した結果、総合評価結果が4段階の最下位(C)でないことを基本とします。
   3 任期評価の実施方法
任期評価を実施するにあたっては、任期期間中の年度評価及び任期末申告を総合的に勘案します。

継続雇用を原則とした評価・判定と理解
  組合は、教育・研究の継続性が求められる大学において教員の雇用制度の基本は任期の定めのないものであるべきこと、したがって仮に任期制を取る場合でも懲戒解雇相当などの重大な瑕疵のない限り継続雇用を原則とした任期評価・再任基準であるべきことを主張し、交渉・協議を続けてきました。今回の決定は、少なくとも准教授・教授については、プロジェクト型任用を除き、継続雇用を原則とした任期評価・再任判定制度として行われることとなったと組合は理解します。また上記第2項及び第3項により、任期評価と再任判定は、特定の要素のみを絶対化するのではなく複数の要素を総合したものとして行われるものと組合は理解します。
法人当局と各部局には、これらの原則に基づき、透明で公正な任期評価・再任判定を行うことをあらためて求めます。

全員任期制からの転換を 
任期制・非任期制の処遇差別を解消せよ
  それとともに組合は、引き続き、雇用制度の原則そのものの「全員任期制」からの転換を引き続き強く求めます。この間の教員公募状況などからも、「全員任期制」が研究者コミュニティの中でのこの大学の評価を大きく低下させていることは明らかです。
  とりわけ助教については、再任1回・再任後任期は3年と限られており、2009年度から順次はじまる判定で再任されたとしても、残り僅かで雇い止めという不安を抱えながら教育・研究にあたることを強いられます。現に職位ごとのポスト管理がなされている以上、継続雇用の唯一の手段である昇任は、本人の努力とは異なる原理が働くからです。
  さらに組合は、任期制・非任期制の教員間にある給与等の差別を解消することをあらためて強く求めます。任期制の運用原則がこのように確認された以上、同じ職務を担いながら非任期制の教員のみが少なくない昇給格差を受けていることは明らかに不合理です。

 組合は法人に対し、継続的な教育・研究の基盤として社会的にも認められる安定した雇用制度の実現をあらためて強く要求するとともに、すべての教職員の皆さんに、その実現のために引き続きともに奮闘されるよう呼びかけるものです。