2333号
  

大学の自治と自立性を回復し、民主的で働きやすい職場をつくっていこう!
労使交渉で労働条件を決定していくために、文字どおりの過半数組合の形成を!
議案(組合規約改正を含む)を満場一致で採択
−組合臨時大会報告−

 組合の臨時大会が、3月5日(土)午後、開催されました。
 大会では、議長に文系事務支部の源川さんと矢後さんを選出し、会が進められました。
浜津委員長は挨拶で、憲法・教育基本法をめぐる危険な情勢などに触れた後、「私は、新大学が、大学の自治と自立性を回復して、大学本来の教育・研究を取り戻すたたかいと憲法・教育基本法を守り発展させるたたかいを結合させて、運動を進めることが必要であると考えています。私たちの職場は、4月から法人化により大きく変化します。教員は非公務員となり、職員は都派遣職員、有期雇用の固有職員、人材派遣職員と多様化します。私たちの組合は、法人化により、団結権、団体交渉権、争議権の労働3権を持つ労働組合となります。私たちの雇用や労働条件は、当事者能力をもつ労働組合として、理事者側と直接交渉して決めていくことになります。交渉では多くの組合員の団結が力となります。私たちは、大学の教育と研究を真に発展させ、職場環境を改善し働きやすい大学の職場とするために、できるだけ多くの教職員が組合に加入してくださることを強く訴えます。」と、組合の拡大強化等を訴えました。
  ついで、来賓として顧問弁護団の八王子合同法律事務所・松尾弁護士が、次のように挨拶されました。
「2003年8月1日の石原知事の新大学構想は、一言で言うと民間で行われている分社化リストラ−新会社設立を口実としてリストラをする、大学の近くでは京王電鉄の例がある−の地方自治体版です。これに、石原都知事流の強権的手法が加わって従前、大学のあり方について学内で検討されていた体制とか内容を一切無視した問答無用の形で新しい大学づくりが進められてきました。これらのねらいがそのとおりに成功していたならば、従前の大学構成員の皆さんが、ましてや新大学構想に批判的な立場をもっている大学構成員の皆さんが、今日なお大学にとどまって、組合としての確固とした立場をもって、大学のあり方や教育研究条件、勤務条件などについて実のある討議をするということなどはあり得なかったはずです。この臨時大会が、先程から述べられている課題で開かれていること自体が大きな前進であり、成果である点を皆さんとともに確認しあいたい。では、なぜこのような前進、成果がかちとられてきたかということですが、第1には新大学構想、そのもとで示された個々の方針に大義と道理がない、ひと言で言えば無理である、ということです。大学にはそれぞれ歴史と伝統があって、それに対して寄せられる市民の期待があります。特に公立大学には、そのような住民の期待に応えるという性格が強い。それを現場で担ってきた教職員の意見を無視して、新しい大学をつくろうとしたこと自体に無理があった、ということです。また、公立大学に先行して、独立行政法人化された国立大学では、現在、学費の値上げが社会問題化しています。同じ独立行政法人として経済効率を重視するという立場に立つ以上、経済的な面でも都民の期待に応えるには無理がある、ということです。また、地方独立行政法人法によると、教職員の皆さんは非公務員となり、労働組合法上の組合に結集するということになります。そこでの勤務条件は、労働組合との協議抜きではできない、というのは当初から明らかです。この点からも大学人の意向を無視して、新大学づくりを進めるというのは無理があるということです。現在、裁量労働制については、当局がやっきになって組合の同意を得ようとしているようですが、ことここにいたって、当局の無理のツケが回ってきた、ということだと思います。当局は任期制・年俸制を押しつけるために、新制度と旧制度の二者択一を迫ってきました。しかし、当局がいうところの「旧制度」、つまり、昇給も昇任もない制度を、就業規則に明記するなどということは、常識的に考えて、およそ困難です。ですから、このような二者択一を押しつけることも、大きな無理です。それ故に、当局は就業規則や労使協定案をつくるために本来しなくてもよい苦労をしている、というのが現状だと思います。このように、新しい大学づくりの構想は、ここに来て無理が一層明らかになっています。泥沼に入りこんでいます。ここから抜け出るためには、裁量労働制、任期制・年俸制の押しつけ、そのための新制度・旧制度の二者択一への固執をやめるのが、もっとも賢明な選択だということを、この場で申し上げておきたいと思います。
 第2に今日の事態は、単なる当局の敵失ではないということです。石原知事の強権的手法は、無理を押し通すためにあるのであって、大学人の皆さんが組合に結集して立ち向かっていったからこそ、今日があるのだということです。
 当局にあった内在的な問題点を顕在化させたのは、組合に結集して取り組んできた皆さんの力です。ですから、さらに多くの人を組合に結集して、その力を大きくしていくことが今の局面で非常に重要になっているということです。就業規則や労使協定の制定締結に当たって、当局がいろいろな策を講じてくることが考えられます。しかし、これまでと同じように、多くの皆さんが組合に結集して取り組んでいくならば、今までの同意書問題や就任承諾書問題と同じように前進的な解決が図られるものと思われます。
  年度末で労使交渉も重要な局面を迎えています。弁護団としては組合の皆さんと連絡を密にし、さまざまな事態に対処できるようにしたいと思います。」
  続いて、議事に入り、臨時大会議案書(案)の「1.情勢」「2.四大学統合と新大学発足をめぐる闘い」「3.賃金・労働条件に関わる交渉」「4.組合の組織強化・規約改正について(当日配布の正誤表(別掲)も含めて)」を小林書記長が提案し、「5.労働者代表の選出について」は当日配付資料に基づき田代副委員長が提案しました。
  これに対して、@労働契約について、A労働者代表の任期、監視監督の義務の有無等について、B苦情処理機関について、C英語教育の業務委託について、D「昇給・昇格なし」について、E組合支部の所属・構成について、Fオープンユニバーシティに所属する人の所属支部について、G職員の種別と組合所属について、H法人固有職員等の組合費について、I組合の事業に関して、J組合規約の組合事務所の所在地について、K研究費について、等に関して、質疑討論が行われました。この中で、規約第5条(組合事務所の所在地)については執行部から、「組合は事務所を東京都八王子市南大沢1−1、東京都立大学内におく。」を「組合は事務所を東京都八王子市南大沢1−1、公立大学法人首都大学東京内におく。」に修正提案されました。
 このことを含めて議案について採決の結果、満場一致の賛成で、可決されました。次いで鶴田執行委員提案の大会宣言が拍手で採択されました。最後に乾副委員長の「3月いっぱい重要な交渉が続くので、ぜひ多くのみなさんが注目し、必要な声をあげていっていただきたい。これから先、いろいろな意味で全学の教職員の団結が非常に重要になってくる、その中で、是非とも組合を過半数の教職員が参加する、文字どおりの過半数組合にしていきたいので、まだ未加入のまわりの方々に組合加入を訴えていただきたい。」との閉会の言葉で、大会を終了しました。

 

臨時大会議案書(案)「4.組合の組織強化・組合規約改正について」 正誤表(下線部分が訂正箇所)

 14ページ下から11行目〜12行目
 【誤】
 ただし、激変緩和の緩和措置として、附則で経過措置を設け、2007年4月1日から、本則の1000分の9とすることとします。
 【正】
 ただし、激変緩和の措置として、附則で経過措置を設け、2008年4月1日から、本則の1000分の9とすることとします。

 21ページ下から9行目〜15行目
 【誤】
 附 則 
 1 この規約は、2005年4月1日から施行する。
 2 第32条に定める組合費は、嘱託員、法人固有職員及び非常勤教職等については、2006年3月31日までは本給(1,000円未満の端数は切捨てる)の1,000分の1. 5、2006年3月31日までは本給(1,000円未満の端数は切捨てる)の1,000分の3、2007年3月31日までは本給(1,000円未満の端数は切捨てる)の1,000分の6とする。
 【正】
 附 則 
 1 この規約は、2005年4月1日から施行する。
 2 第32条に定める組合費は、嘱託員、法人固有職員及び非常勤教職等については、2006年3月31日までは本給(1,000円未満の端数は切捨てる)の1,000分の1.5、2007年3月31日までは本給(1,000円未満の端数は切捨てる)の1,000分の3、2008年3月31日までは本給(1,000円未満の端数は切捨てる)の1,000分の6とする。

(規約改正については、今後、全組合員の投票に付し、全組合員の過半数の賛成を得て、改正します。)