2003組発第10号 
2003.9.2

東京都立大学総長
 茂 木 俊 彦 殿


東京都立大学・短期大学教職員組合      
 
中央執行委員長 山 下 正 廣   

都立新大学での教職員の雇用・身分・配置等に関する緊急要請書

現在、8月1日に発表された「都立の新しい大学の構想」に沿って、教学準備委員会のもとでその準備が進められていると聞きます。しかし、新大学の「設立」に伴う教職員の雇用・身分をめぐる問題が、全く明らかにされぬまま、その作業が大学管理本部と教学準備委員会のもとで進められることについて、多くの教職員の中に深刻な不安が広まっており、教職員組合として看過できぬ事態となっています。

 とりわけ重大であると教職員組合として考えるのは、以下の点です。

 第一に、すでに7月までの段階でも、新大学への移行に伴っては多数の過員が生じることが明らかでした。このことについて、7月までは「過員が生じても分限免職はおこなわない」ことが示されていました。しかし8月1日以降、この点が不明確なままとなっています。

 第二に、過員の解消にあたって、新たに何らかの過員解消を促進する手段が講じられる可能性があります。もし勧奨退職のような促進手段が考えられているとすれば、それは労使協議事項です。しかし、教職員組合に対しては大学管理本部からそのような説明は何らありません。

 第三に、廃止がすでに決定されている短期大学教員については、7月段階までは基本的に新大学の学部・研究科に分属するということで仮配置計画が作成されていました。しかし、8月1日以降、短大教員の所属等は全く明確にされていません。

 第四に、過員教員の所属が不明確なままです。語学担当・体育担当教員などは基礎教育センターに所属することになるといわれています。他の学科・専攻等の過員教員の所属はどこになるのでしょうか。また、現在大学院を担当している教員は、たとえ過員となろうと現にいる大学院学生の指導等を含め、引き続き大学院を担当することが出来るのでしょうか。

 以上のような、諸問題について明らかにするとともに、その問題点を解決するために貴職として、全力をあげてご努力頂きたく、具体的に以下の点を、緊急に要請いたします。

1.新大学の「設立」にあたり、現行4大学所属の教職員の分限免職を一切おこなわないよう、大学管理本部に強く要求するとともに、その確約を取り付けること。

2.過員解消を促進する措置を講ずることは労使協議事項であることを確認されるとともに、労使間合意がなされるまで、過員解消促進のための計画作成に着手しないことを大学管理本部に強く要求されたい。また、貴職の権限において貴大学内部においてそのような計画のもととなるおそれのある資料を作成しないこと。

3.本人の同意なしの配置・配属転換を一切おこなわないよう、大学管理本部に強く要求すること。また貴職においてもそのような配置・配属転換を一切おこなわないこと。

4.基礎教育センター配属の教員について、定数化など身分・雇用の安定を明確化するとともに、これまでの研究・教育(大学院を含む)の継続を十分に保障するよう、大学管理本部に強く要求すること。

5.短期大学教員の配属については、7月までの考え方を踏襲するよう大学管理本部に強く要求すること。

6.以上の教職員の雇用・身分問題が解決するまで、準備作業の進行を中断するよう大学管理本部に要求するとともに、貴職の権限において貴大学内の作業を一旦中止すること。