2327号
 

都立大学総長 現行制度の継続を求める
多数が回答保留

  大学管理本部が求めている「任用・給与制度の選択」に関する「照会」への、各大学からの回答期限である昨日 が回答を保留しています。そうした状況を踏まえ、都立大学茂木総長は、昨日午後に開かれた教学準備会議の場で、 「少なくとも18年度までの間は、現行の任用・給与制度を継承すべきである」とする意見書を、村山大学管理本部長に 手渡しました。
  昇任・昇格なしの「旧制度」が現行制度からの重大な不利益変更である上に、「新制度」はその本来の制度骨格が未定 なばかりでなく数多くの不合理性を含んでいます。総長意見にもあるように、大学管理本部が当面の「新制度」を暫定制度 という以上、「旧制度」「新制度」に比べ遥かに合理性があり、多くの人が納得できる現行制度を、少なくとも暫定制度し て4月以降も当面継承することは、当然のことです。



大学管理本部長 村山寛司殿  <意見>  

少なくとも18年度までの間は、現行の任用・給与制度を継承すべきである
 

東京都立大学総長
  2005年1月25日

 「任用・給与制度の選択について(照会)」については数多くの疑問が出されており、現在に至っても多くの教員が、回答を保留している。選択の対象とされている「新制度」「旧制度」はともに、現在適用されている任用・給与制度からの重大な変更を伴うものである。これは、法人への円滑な移行と雇用の継承をうたった地方独立行政法人法の趣旨に照らして強い疑問がある上、新大学の教育研究の安定的な遂行にとって大きな障害となる危険性がある。このことは、これまでにも経営準備室運営会議の場などにおいて、つとに指摘してきたところである。
  加えて、1月18日、本学において行われた大学管理本部による説明会などにおいては、「新制度」の根幹をなす職務給・業績給の設定の仕方や評価基準、再任にあたっての評価基準等のすべてに関して、いまだに検討中であり未定であることがあらためて明らかにされた。しかも、宮下参事からは現在示されている「新制度」は職務評価・業績評価方法などが定まるまでの「暫定制度である」との説明もあった。
  また説明会の場では、「特例措置」「経過措置」などの新たなものが示された。しかし、重要な変更を伴うこれらの「措置」が、あらかじめ設定された「制度選択」の回答期限直前に、全教員への徹底がほとんど不可能な時点になって、しかも経営準備室運営会議における審議もなしに出されるなど、手続的にも疑義がある。
  言うまでもないことであるが、新大学の発足時にはとりわけ全教員の積極的な協力・共同が求められる。そうした教育研究の環境において、異なる任用・給与制度の教員が相当な割合で混在することは大きな問題をはらんでいることも指摘しておきたい。
以上の点を考慮すると、「新制度」は少なくともその骨格が明らかになる段階であらためて提案がされるべきあり、その段階とされている平成18年度までの間は、法人設立後も、任期の定めがなく昇給・昇任を認める現行制度を暫定制度として継承すべきである。